編集のコツ

決めのひとことで、カメラが動く

プロが編集した動画を見ると、必ず気づきます。大事なひと言の瞬間だけ、画面が少し寄るのです。ほかは何も変わりません。編集でいちばん手軽な技で、どこにでも使われています。だからこそ、それがないとクリップが機械的に作られたように感じます。

数パーセント寄るだけで、なぜ効果があるのか

顔がよく見えるからではありません。

話している顔だけの映像は、口が動く静止画のようなものです。30秒続けば、画面上で何も変わらない30秒です。見続けるか迷っている視聴者には、つかまるものがありません。寄りは変化です。変化が来ると、何かが起きているとわかります。しかも、言葉がひとつも理解される前に。

見落とされがちですが、どこを見ればいいかも教えてくれます。画面が誰かに寄るのは、映像で身を乗り出すのと同じです。「ここだよ」と伝えます。同じ文を寄りなしで切っても文は残りますが、それが決めの一文だという印はどこにもありません。

誰もが破るルール

強調は対比です。1本のクリップに2回あっても、強調が2倍になるのではなく、ゼロになります。

失敗は、知っていればすぐわかります。数秒ごとにズームするクリップです。意図的というより落ち着きがなく見え、3回目には視聴者は動きにまったく気づかなくなります。寄りが効くのは、それ以外の部分が静かだからです。ほかが静かでなければ、対比する相手がありません。

2つめのルールは大きさです。数パーセントの寄りは意図に見えますが、30パーセントの寄りはミスか、下手なクロップをごまかそうとしているように見えます。視聴者が感じはしても、あとで説明できない程度の動きにしましょう。

そして3つめ。すべてのクリップに、その価値があるひとことがあるわけではありません。展開のない落ち着いた説明は、そのままにしておくほうがいいです。何も運んでいない文を強調すると、話を聞いていない人が編集したようなクリップになってしまいます。

SnapDubでの扱い

1本のクリップに1か所、またはまったくなし。

すべてのクリップで、編集者なら寄るであろう1つのフレーズを探します。オチ、数字、議論が転じる瞬間などです。見つかれば、画面は約4フレームかけて寄り、目標を少しだけ行き過ぎてから戻って落ち着き、そのひとことの間だけ保ち、1フレームで元に戻ります。狙うのは画面の中央ではなく話者の頭です。縦型の画面の中央は、誰かの胸だからです。控えめなウーッシュ音が一緒に入りますが、声の上ではなく下に収まる音量です。

そういうひとことがなければ、クリップは手を加えず、そのまま書き出されます。こちらの半分こそ、こだわる価値があります。落ち着いて何かを説明しているだけのクリップには、意図的に何もしません。

同じ8秒を、2回 左右どちらも同じ録画です。右側では、ひとつのフレーズで画面が寄り、それが終わった瞬間に元に戻ります。その前後は、どちらも同じ映像です。音なしで表示しています。

これは動画ごと、そしてテンプレートごとの設定なので、使いたくないチャンネルでは一切出てきません。エディターではクリップごとにチェックで切り替えられます。自分なら選ばなかったひとことを機械が選んだ日に、役に立ちます。

手作業でやるなら

何で編集するにしても、知っておく価値があります。

どの編集ソフトでも、動きは同じです。そのひとことの前にクリップのスケールのキーフレームを打ち、数フレーム後に少し大きい値でもう1つ打ちます。プロから真似する価値があることが2つあります。1つめは、動きを最終値より少し行き過ぎさせ、2、3フレームかけて戻すこと。なめらかなイージングだけではコンピューターの動きで、行き過ぎるのは重さのあるものの動きです。2つめは、戻りをアニメーションさせないこと。次のカットまで保つか、1フレームで戻すかのどちらかです。タイマーでゆっくり戻る寄りは、誰も選んでいないことをいちばんはっきり示すサインです。

実際に見られるサイズ、つまりスマホで確認しましょう。ノートパソコンで控えめに見える寄りは、たいていちょうどいい。ノートパソコンでちょうどよく見える寄りは、たいていやりすぎです。

よくある質問

質問にお答えします

動画編集のパンチインとは何ですか?

被写体に向かって画面を小さく素早く寄せ、少しの間保ってから戻す演出です。大事なひとことに印を付けるために使います。ショート動画では、実際のカメラの動きではなく、ほぼ必ずクリップ自体のスケールで行います。

ズームすると画質は落ちますか?

録画のピクセル数が完成したクリップより多ければ落ちません。それが普通のケースです。縦型クリップはずっと横長の映像の一部を切り出しているので、数パーセント寄っても、もともとあったディテールを使っているだけです。

カメラはどのくらい動かすべきですか?

編集中に「これで十分」と感じるより少なめに。画面の6分の1ほどを、3〜5フレームかけて寄せるくらいが、視聴者が変化に気づいても言葉にはできない程度です。視聴者があとで説明できるような動きは、やりすぎです。

パンチインに効果音は付けるべきですか?

たいていは付けるべきで、小さめに。どのフレームも完璧にシャープで、音に何もない速い動きは、編集ではなく不具合に見えます。声の下に短いウーッシュ音があると、意図的に見えます。はっきり気づくほどの音量は大きすぎです。

自分のクリップに入らなかったのはなぜですか?

クリップの中に、それを求めるものがなかったからです。寄りは、入れるべきはっきりしたひとことがある場合にだけ追加されます。落ち着いた説明のクリップは、ないほうがいいのです。これは抜けではなく、判断です。

オフにできますか?

はい。動画ごと、テンプレートごと(そこから作るクリップはすべてその設定を引き継ぎます)、そしてエディターでクリップごとにオフにできます。

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クリップはどこから始めるべきか

冒頭は、どの1秒から始めるかという判断です。上から何を足すよりも大事です。

縦型クロップ

そもそも画面をどこに置くか、そして横長の録画が縦型になるとき何が起きるか。

テロップのスタイル

音が消えている間、クリップを支えるもうひとつの要素。

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